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  脳 天 気 家 族


 ある日のこと。買物から帰った私、玄関を開けるなり目の前で「べえー!」と大声で言いながら、私に向かってベロンと舌を出す母に唖然。
「ギャーハハハ!なんやアンタか、みみかと思ってたぁ〜!」

 ある日のこと。アッハッハッハ!やら、ワッホッホッホ!やら、ギャ〜ッハハハ!やら、隣りの部屋から何やら賑やかな騒ぎ声。そっと扉を開けみると、母がみみかに向かって何かを投げていた。それは、ティッシュペーパーを丸めて作ったボールで、母の前にある机を挟んで、反対側にいるみみかに向かって投げられていた。
「何してるん?」と冷ややかな私に、
 『え゛!?』とおかしな口調で振り向いたみみかの口の中には、ティッシュペーパーのボールが数個入っていた。開けられたみみかの大口に向かって、母がティッシュペーパーのボールを投げる『ストライク合戦』をしていたのだった。
 あまりにも間抜けでアホ顔のみみかの『え゛!?』に、私も思わず吹き出した。ソフトボールでピッチャーをしていた母、孫に向かってその腕前を披露していたのだとか。父もそれを見ながら一緒になって笑っている。
 『わっほっほ、きゃっはっは、ギャーア〜。』その後も賑やかな笑い声は絶えず続く、脳天気なアホ家族である。
 不登校児みみかの明るさと元気のもとは、こんな大らか脳天気の祖母と愉快な祖父により育まれている・・・のかも!?

      

 
   
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