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  流れ星


祈りの日々を続けていたある日の朝。
いつもの祈りを終えてふと見上げた空に、私は驚いた。
そこには、夜空を埋め尽くすほどの星々が一面に広がり、それぞれの光の色と明るさで一斉に輝きを放っていた。
「わぁー!」と、あまりの美しさに声を上げ眺めていると、視界の左側に何やら突然大きな光が見えた。
すぐさまその方向を見据えると、それは何とも大きな流れ星だった。
星の輝き自体も凄かったが、流れて行く流線形のホウキも非常に長くて太かった。
その輝きと言ったらとても力強く、『ドーン!』と私の奥深くにまで響くように感じられた。
何とも言えない心地いい喜びを感じて、私の心の中は感動で鼓動した。

この聖なる場所へ導かれたこと。
この場所で出会うべき人たちと出会い、遥か遠い昔の約束を果たしたような気分になった。
そして、私に与えられたこの感覚的なものを通し、この場所で人々のお役に立ちますようにと祈ることが、私の運命(さだめ)だったのかも知れないとも思った。

流れ星を目にしたこの日は、お釈迦様の誕生日だった。
この日から、私はさらに様々な不思議な出来事に導かれ、私にしかない『個性』を生き『使命』を果たす「私の道」という軌跡を辿って行くのだった。


 
   
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