|      夢 の 続 き 
                         
                         
                         
                        B氏との会話は、そのうち話題が変わり別の話になった。  
                        私が朝早く祈りの場に行くと、あの少女Aも朝早くから来ていたと私はB氏に話した。 
                        それを聞いたB氏は「彼女も頑張っているからな・・・」と、感慨深げにポツリと言った。 
                        『何を?』と思ったが、口には出さなかった。 
                        何故だかこの辺りから、私の意識には靄がかかったようになり、ボーッとしてあれこれはっきりと考えられなくなっていた。 
                      そんな意識の中、私は突然あの夢を思い出す。  
                        そう・・・あの変な夢。 
                        一連の流れ作業の後、最後に登場したただならない関係にある男女。 
                        その男女の顔が、いきなりはっきりと見えた。  
                        それは・・・、まぎれもなくG氏と少女Aだった。 
                         
                        突然はっきり見えた男女の顔に、驚いて戸惑った私は、思わずB氏にこの夢の話をした。 
                        一連の流れ作業風景を話し、「そう言えば最後にG氏とある女の子が登場して・・・」といった具合に、私はさらりと話をした。 
                         
                        実際のところ、G氏と少女Aが本当にただならない関係にあるのかどうか、私は全く知り得なかった。 
                        それに、この二人の年齢的な不釣り合いさを考えると、『まさかね!?』と自分の夢の正確さを疑う気持ちが強くて、私は顔が見えた少女Aの名前は伏せて話をした。 
                      しかし、B氏はこの夢がとても気になるらしく、「相手の女の子の顔は覚えてるの?」と聞いてきた。  
                        「うん・・・。でもきっと違うから、間違いだから・・・」と、私は言うのを渋った。 
                        それでもB氏は聞き出したい様子で、「いや、きっと合ってるよ。間違いないよ」と私を促した。  
                        渋々ためらいながらも、私はついに少女Aの名前を告げた。 
                        私から告げられたその名前に、B氏は「ふーん」とだけ言って黙ってしまった。 
                      「ほら、違うでしょ!」と言う私の言葉に、B氏は否定も肯定もせずこう言った。 
                        「僕はそういうの疎いんだよ。 実はよく知らないんだ」と答えた。 
                        『知らないなんて・・・何言ってんのよ!さっきまで躍起になって聞き出そうとしていたくせに!』 
                        内心そう思いはしたが、頭の中がボーッとした靄状態のため、深く考えることが出来なくなっていた私は、『知らないのか、なーんだ・・・』と、いつもにはない大人しさで妙に納得してしまった・・・。 
                        それ以上、B氏は夢の話に触れることもなく、私もB氏に追及することなく会話は終わった。 
                         
                         
                         
                       
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