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  神 様 へ の 訴 え


聖地と呼ばれるその場所で真理を見出し、どんどんクリアになっていく自分の頭と感覚とは対照的に、私の心の中では葛藤の嵐が吹き荒れ始めていた。
男尊女卑的な思いやりの無い言葉、他人の行ないをヒソヒソ声で裁き合う人々、そして盲目的に神を信じる依存した人やその心。
私が信じる真理とはかけ離れて見える、そこでの人々の生き方に矛盾を感じ、私はもう夫との問題どころでは無くなっていた。
自己の存在に関わるほどの、究極的な葛藤の苦しみに漂っていた。

『神様、私に見えるこの世界が本当にあなたの世界なのですか?
私の思っている世界があなたの世界と違うというのであれば、私はもうどこへ行っても生きられない!
真理があると思ったここでさえ矛盾を感じて生きられないのに、他で生きられるわけがない!
お願いです!それならば、私の魂を抹消して下さい!』
いつしか私は号泣し、神様にこう訴えていた。

しかし、いくら神様に訴えても返ってくる答えは無く、悶々とした日を過ごしていた。
結局のところ、私に出来るのは神様への訴えと『本当のことが知りたい!』そう強く祈り続けることだけだった。



 
   
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