9 

 

  違 和 感


私はさっそく事務所に行き、私を呼んだ理由を聞いた。
それは、数ヶ月ここでのお仕事を手伝ってくれるアルバイトを探しているとのことだった。
彼は、私が結婚しているとは思わず、気楽な独り身だと思い声をかけてくれたのだった。

そのアルバイトを引き受けるということは、この場所にとどまらなくてはいけないということ。
宗教嫌いの私にとって、こんな所にとどまるなんてとんでもない!という思いもあり、自分が結婚していることや、一刻も早く自分の問題を解決して愛する夫の元に帰りたいのだということを、私は告げてお断りをした。
結婚しているのなら旦那様の所へ戻るのが一番だし、アルバイトは別の人を捜しますということで、その話は終わった。

そして、私は予定の滞在期間を終えて帰路についた。
しかし、私にとって『生きている意味や使命』が見つかったわけでもなく、更に、愛する夫のいる自宅に戻っても、家族のいる実家に帰っても、何故だか私は落ち着くことが出来なかった。
どちらも今の自分の居場所ではない・・・何故だかそう感じて、自分の身の置き場に違和感をつのらせていた。




 
   
 9 




 

 

虹色アーチトップページへ