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  予 感


やがて・・・それは間もなくやってきた。
相変わらずの問いかけを続ける私に、【誰かが私の元にやって来る】そんな予感が走った。

ある日の昼食時、私と少し離れた位置で食事をとる男性に目が留まった。
どうしてだか、私はその男性が私の所へやって来るという気がしていた。
ほどなくして、男性は食事を終えると立ち上がった。
その男性の足先が、私の方向へと一歩一歩近づいて来た。

その動向を気にしつつ、私は食事をしながらドキドキする自分の胸の高鳴りを感じていた。
そして、とうとうその男性は私の傍らにやって来て、食事をする私に声をかけて来た。
「後で事務所の方に来ていただけますか?」
「あ、はい・・・」
その男性は、ここの職員だった。

自分の予感が当たったことに興奮状態だった私は、 その後の食事が喉を通らなかった。
これから私の身の上に一体何が起こるのか?
私には全く見当がつかなかった。



 
   
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