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  問 い か け


そこは、『心の持ち方を変えるところ』だと友人が教えてくれた場所。
今まで聞いたことのない、だけど奥底ではすでに知っていたような真理を学べる場所。
嫌々ながらも辿り着いたその場所。

固有名詞的な宗教団体の姿は大っ嫌い!
でも本当のホント、誰もが感じられる真髄すなわち真理とよばれる普遍的なものは好き。
そこにはそういった真理があった ・・・少なくとも、私にはそう感じられた。
そこに見出せる真理を、宗教だからという偏見でもって拒否する理由は全くなかった。

家族とも言葉を交わせず微笑みさえも忘れてしまっていた私だったが、数年ぶりにそこに着いた途端、にこやかに他人と会話をしている私の姿があった。
不思議なことに、そこに到着したその瞬間から、私の鬱は治っていた。
今思えば、私をそこへと導くために、鬱の体験が必要だったとも言えるのかも知れない。
事実、鬱があったからこそ、私は再びこの場所へと導かれたのだ。

しかし・・・、人間本来の光の世界である“笑”や“楽しい”を蝕んだ私の鬱は、もはや私がこの世に生きる意味を見失わせていた。

『私は何のために生きているのか?』『私のこの世の使命は一体何なのか?』『そんなものが本当にあるのか?』どうかそのことを教えて欲しい!
『無気力空虚な焦燥感だけが襲ってくるこの世界から、どうか私を助けて!』と、ただひたすら私は祈っていた。
そして、『神様がいると言うのなら、一体どんな形で、どんな手段で、私を救ってくれるのか!?』そういった問いかけを、私は何度も何度も繰り返していた。



 
   
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