決 意
友人から教わったその場所で、私は今まで聞いたことのない、だけど奥底ではすでに知っていたような真理を学んだ。
そして、一連の出来事を、私は自分なりに読み解き始めた。
私の潜在意識の中には、大きな花が咲いていた。
悲劇のヒロインに憧れる心、そしてそれを演じたい心。
不幸の中にある、小さな小さな歪んだ幸福感という花。
私はその花を咲かせるために、自ら潜在意識の中に不幸の種をまいていた。
そしてその種はちゃんと実を結び、筋書き通りに不幸な現実を創り出していた。
潜在意識の奥底で起きている、そういった流れに私は気付き、人の想い(=潜在意識の種)は実現するのだということを知った。
もうこれ以上、誰も悲しませたくない!もうこれ以上、誰も苦しめたくない!
私を愛してくれる両親、私の愛する夫、そして・・・自分自身を!!
そう思ったその時から、私は決意した。
『自分もみんなも幸せになるという、幸せの中にある幸せ』
そういった人生を生きるシナリオに私は自ら書き直そう!そういう想いの種をまこう!と。
そして、夫から傷付けられたと思い抱いていた被害者意識も、実は自分が望んで選んでいたのだという考えに変わり、本当の自分自身を知るために、今このような状況を選んでいたのだと解釈できるようになった。
結婚したら、夫婦だったら、家族だったら、これは当然だという思い込みや、育った環境の中で培われた自分の価値観を、当たり前のように今まで夫に押し付けていたことも、間違っていたということに気が付いた。
私の中で、当たり前が当たり前でなくなってしまった。
自分の考えが変わると、周りの世界が変わり始めた。
そういう価値観の違いのある中で、夫が私にしてきてくれた事は、夫にとってとても大変な事だっただろうとか。
愛情豊かな家庭に育った私とは違い、両親の仲が悪く、家庭の明るさを知らずに育った夫が、愛情豊かな明るい家庭を築こうとする事(おそらく夫の理想ではあっただろうが)は、実際どのように生活したらいいのか分からず、きっと戸惑っていたに違いないとか。
今まで思いもしなかった事がどんどん見え始め、夫に対して初めて深い感謝の気持ちが湧いてきた。
それまでは、本当の意味での夫を理解しようともせず、ただ常識外れの変わり者だと面白がって、私は夫を愛していただけのことだった。
そして、私自身も本当の意味で『自分が何者であるか』ということを、全く理解していなかったのだ。
|