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  リ カ ち ゃ ん 人 形 遊 び


 子供の感覚に戻っている父は、みみかのリカちゃん人形に興味津々。父の小さい頃にはこのような精巧な着せ替え人形はなかっただろう。あったとしても、「男の子」である父にはなかなか手を出せない代物遊びだっただろう。
 しかし、「男の子」と「女の子」、「大人」と「子供」などの垣根を越えたところにいる今の父には、みみかと同じようにリカちゃん人形を手に取り楽しむことも躊躇なく出来る。そういったことが『出来る』というのは、とても素晴らしいことだと私は思う。
 生きる中で培われた、その時々の時代に応じた常識的な価値観や体裁、そういったもので『やりたいこと』を抑え込んできたものが、今ここに来てやっと解放され満たされるのだから。父は素晴らしい体験をしているのだ!私にはそう思える。
 リカちゃん人形の仲間たちや小物類に目を輝かせながら、父はそれを手に取りしげしげと観察し楽しんでいる。でも、決まって手に取る父お気に入りの人形は、そうは言ってもやっぱり「男の子」の人形なのでした。

      

 
   
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