〜 本 を 作 る 〜        

1  本文の編集工程
2  扉、表紙、表紙カバー、帯の編集工程
3  印刷工程/オフセット印刷
4  紙の断裁、加工工程
5  製本A/本文接合工程
6  製本B/表紙張り工程
7  製本C/仕上げ工程

 

1,

本文の編集工程


    1)

ワープロで文章を完成させる。


ワープロソフト(ワード)
    2)

画像ソフト(イラストレーター,フォトショップ等)で画像を完成させる。
   ※ できればRGBカラーでなく、最初からCMYKカラーモードで画像は作成する。
   ※ フォトショップでビットマップ画像作成の場合は、解像度:400dpi/
       カラーモード:CMYKカラーに設定
   ※ ベジェ線のイラストレーターの場合は、カラーモード:CMYKカラーに設定

イラストレーター
フォトショップ等
    3)

イラストレーターでA4版原稿(見開きページ)を完成させる。
   @ 見開きページのレイアウトの雛形を作る
        1ページ15行、1行 文字、行間  mm、柱位置、ノンブル(頁)位置、
        タイトルフォントと大きさ、本文フォントと大きさ、ノンブルフォントと大きさ、
        柱フォントと大きさ、本文の上下左右の空白位置、等を決める
   A ワープロの本文データを雛形に流し込む
   B 画像を貼り付ける
   C 表計算ソフト(エクセル) で 「製本ページ割」表を作成しながら作業する
   D ファイル名は次の通り
        CMYK01a/P02・P03.ai CMYK01b/P01・P04.ai 
        CMYK02a/P06-P07.ai CMYK02b/P05・P08.ai
          ・・・・・・・・・・
        CMYK46a/P182・P183.ai
        CMYK46b/P181・P184.ai

イラストレーター

 



表計算ソフト(エクセル)
 製本ページ割.xls

    4)

表計算ソフト(エクセル) で 「割組み」表作成する
   @ 両面カラーページが同一のA3原稿にくるように割付する
   A 片面カラーページが同一のA3原稿の片面にくるように割付する
   B 残りのモノクロページを集めて割り付ける
   C ファイル名は次の通り
        A3-01表面.ai A3-01裏面.ai 
        A3-02表面.ai A3-02裏面.ai
          ・・・・・・・・・・
        A3-22表面.ai A3-22裏面.ai
        A3-23表面.ai A3-23裏面.ai

表計算ソフト(エクセル)
 割組み.xls
    5)

イラストレーターでA3版印刷原稿を完成させる。
   @ エクセルの 「割組み」表にしたがって作業する
   A A3版印刷原稿レイアウトの雛形を作る
        A3トンボ(トリムマーク)、天地指示、紙目指示(タテ目) 、印刷ファイル名の明記、
        A4版原稿の流し位置の基準線、断裁線、等を設定する
   B A4版原稿の本文データをA3版雛形に流し込む
   C A3版下部の原稿は、180度回転させて流し込む


表計算ソフト(エクセル)
イラストレーター
 A3-01表面.ai
 A3-01裏面.ai 
 A3-02表面.ai
 ・・・・・・・・・・
 A3-22裏面.ai
 A3-23表面.ai
 A3-23裏面.ai
    6)

イラストレーターでA3版印刷原稿の色指定を調整する
   @ モノクロ画像はグレースケール化する
   A 黒文字はグレースケール100% 又はCMYK の K100% に指定
   B 画像に載っている黒文字は、CMYK の C1% K100% に指定
   C 

イラストレーター
    7)

イラストレーターでA3版印刷原稿をアウトライン化する

イラストレーター

2,

扉、表紙、表紙カバー、帯の編集工程


    1)

イラストレーターでA5版原稿の扉を作る
 ※ 扉のノド(綴じ代)の部分は、A5の切断面と一致させておくと 後で断裁する手間がなく
   なる。
 ※ A5トリムマーク、紙目指示(タテ目) 、印刷ファイル名の明記、断裁線、等を設定する

イラストレーター
    2)

イラストレーターでA4版原稿の表紙を作る
 ※ 表紙は特色一色にしても良いが、モノクロ(黒)一色のグレーでも十分良い
 ※ A4トリムマーク、紙目指示(ヨコ目) 、印刷ファイル名の明記、断裁線、折線等を設定する

イラストレーター
    3)

イラストレーターでA3版原稿の表紙カバーと帯を作る
 ※ A6サイズの本の場合、A3の縦長のカバーと、帯がとれる
 ※ A3トリムマーク、紙目指示、印刷ファイル名の明記、断裁線、折り線等を設定する

イラストレーター

3,

印刷工程/オフセット印刷


    1)

次の条件が整った印刷会社を探す。
 ※ ウェブサイトからデータ入稿可能(近くであればウェブ入稿の必要はない)
 ※ 選択できる紙種類が豊富
 ※ タテ目、ヨコ目の指定ができる
 ※ カラープルーフの印刷チェックサービスがある
 ※ 基本的なデータチェックをしっかりしてくれる
 ※ 完全原稿作成のための技術的アドバイスがある
 ※ 質問や問い合わせが迅速に対応してくれる
 ※ 費用が安い

外注印刷会社の選定
    2)

カラープルーフで代表的な画像の色チェックを事前に行う
 @ 代表的な画像を集めてカラープルーフ専用の色見本ページを作る
 A カラープルーフのみのデータ入稿する
 B カラープルーフを見て最終的な画像の色調整を行う

イラストレーター
    3)

イラストレーターの完全原稿をデータ入稿する
 ※ ウェブサイトから印刷発注しデータ入稿する
 ※ 近くであれば、極力データを持参する方がよい/直接指導を受けられるし、場合によっ
    ては簡単なプルーフをその場でプリントアウトしてくれる

 ※ 「愉快な認知症」で使用した紙種と印刷(全てオフセット印刷)
    @ 本紙・・・・・・コート紙 90kg 両面カラー/片面カラー片面モノクロ/両面モノクロ
    A 扉・・・・・・マットコート 110kg 片面カラー
    B 表紙・・・・・・上質紙 180kg 片面モノクロ
    C 表紙カバー、帯・・・・・・コート紙 135kg UVマット二ス仕上げ 片面カラー

イラストレーター
    4)

印刷会社側のデータチェック
 ※ 印刷会社側で、基本的なデータチェックを行ってもらう

(印刷会社側作業)
    5) 印刷 (印刷会社側) 

(印刷会社側作業)
    6) 印刷完了/印刷物納品

(印刷会社側作業)

4,

紙の断裁、加工工程


    1)

本文の紙カット/A3→A4
 ※  A3本紙 (23枚)→A4本紙 (46枚)

断裁機(できれば電動断裁機 420mm刃)
A3本紙 (23枚)
    2)

本文の紙カット/A4→A5
 ※  A4本紙 (46枚)→A5本紙 (92枚)

断裁機
A4本紙 (46枚)
    3)

キャビネットに収納
 ※ 1段にA5 2種類収納

A4版仕分けキャビネット
全46段
    4)

表紙の加工
 @ 折り冶具に表紙をセット、折り線を目安に位置決めする
 A 軍手の指先で直角の折り型をつける
 B 背の幅をずらして、もう一方の折り線を目安に直角の折り型をつける

表紙(A4)
簡単な折り冶具
    5)

扉の加工
 ※ 中央線(綴じ代)がA5版用紙の淵に設定していない場合は、中央線で断裁する

断裁機
扉(A5)
    6)

表紙カバー、帯の加工
 ※ A3版長手方向で断裁するためには、420mmの長さの断裁刃が必要

断裁機
表紙カバー&帯(A3)
    7)

見返しの加工
 ※ ラシャ紙が比較的入手しやすい
 @ 紙目を調べてA4ヨコ目になるように切り方を決める
    ※ 紙目は紙を小さく切って、霧吹きでぬらし、反りと直角方向が紙目
 A 四つ切ラシャ紙→A4サイズ2枚にカット(ヨコ目)
 B A4を2つ折りする

断裁機
ラシャ紙(四切)
    8)

A5捨て紙を作る
 ※ 安物のA4のコピー用紙をA5になるように切断しておく

断裁機
A4コピー用紙
    9)

不織布を作切る
 @ 農業でベタガケ用として使用する不織布をホームセンター等で入手
 A 不織布を断裁するのに適当な大きさに重ねる
 B 重ねた不織布を断裁機で170〜190mm×30mm程度の大きさに切っておく

断裁機
不織布

5,

製本A/本文接合工程


    1)

本文帳合
 @ 両面をチェックしながら、捨て紙、1a、1b、1a、2b、・・・・・・46a、46b、捨て紙の順に重ねる
 A 1冊ずつそろえて保管する  ※ 上下にA5版の板を重ねる

帳合棚/70冊帳合用
本紙(92枚)
捨て紙
A5版の板(帳合冊数分)
    2)

本文接合/ノコ刃入れ
 @ 冶具セット
 A ノコ刃傷付け
 B ノコ刃溝入れ
 C 掃除機でゴミ吸出し
 

製本冶具
手ノコ
掃除機
    3)

本文接合/のり付け
 @ 刷毛でボンドを付ける(ボンドB1は水でうすめないと書いてある)
 A ワイヤーブラシでしごく
 B はみ出たボンドをヘラで取る
 C 背側冶具をトップに移動し締める
 D 不織布1枚を背に重ねて、刷毛で軽く押さえる
 

ボンド(ボンドB1)
刷毛(毛先を短く切る)
ワイヤーブラシ
ヘラ
不織布
    4)

半日乾燥

 
 
6,

製本B/表紙張り工程


    1)

扉、見返し張り
 @ 冶具外し
 A 捨て紙はがし
 B 扉張り/極細歯ブラシでボンドをつける
 C 表紙の見返し張り
 D ヘラで見返しの上から押さえる
 E 裏表紙の見返し張り
 F ヘラで見返しの上から押さえる
 G 冶具セット/背側冶具はトップ位置で締める

接合した本紙
扉(A5)
見返し(A4二つ折り) 2枚
ボンドB1
極細歯ブラシ(歯ブラシの先端のブラシを残してカッターでカットする)
ヘラ
冶具
    2)

表紙のホットメルト接着
 (準備)ホットメルトガンはホームセンターや100円均一のお店で安く売っています。何千円、
何万円もする器具もありますが、ホームセンターの数百円のものでも結構使えてます。ホット
メルトの接着剤の棒は一本10円程度で売っています。一本で2〜3冊製本できます。安くて他
にいい方法があればどなたか教えてくださいネ!
 (準備)アイロンは家庭にある普通のアイロンです。
 (準備)当て紙は、A5版程度のどんな紙でもいいです。
 (準備)表紙は事前に背部分に折り目をつけておいたものを使います。


 @ ホットメルト背流し
     6-1) の工程の続きです。冶具にセットされた本体をテーブルの上に置きます。
     
     ホットメルトガンで背の上に接着剤をのせていきます。
     
     背の中央部分にまっすぐ接着剤をのせます。
     ※ 直接関係ないですが、左のお皿の下に軍手が見えるのは、 お皿の滑り止めです。
        (滑り止めのゴム付軍手)
     
     最後まで一気にホットメルト接着剤をのせていきます。
     
 A 表紙張り
     表紙を用意します。
     本の天地を確認しながら、表紙をかぶせます。「愉快な認知症」の場合は、地の部分
     にカラーチャートを印刷したので、断裁面が鮮やかな色になり分かりやすくなっていま
     す。
     
     この後アイロンで調整しますので、大体の位置で大丈夫です。
     
 B 当て紙を敷いて、アイロンを背に当て、ホットメルトを溶かしながら位置決めする
     当て紙をあててアイロンを平らにかけます。数秒もするとホットメルトが解けて接着
     剤が平らに広がります。あまり強くかけすぎると接着剤が左右にはみ出てしまいま
     すが、後で表紙にもアイロンをかけますので、少々は大丈夫です。でも強くかけす
     ぎない方がいいと思います。
     
     アイロンを外したらすぐに、位置の微調整をします。数秒で動かなくなります。
     位置決めがうまくいかなかったり、表面の凸凹が気になったら、もう一度アイロンを
     かけてやり直します。
     
     この工程はこれで終了です。
     
     終了した冶具はタナに戻します。全ての冶具に対してこの工程を繰り返します。
     ※ 下におなべが写っていますが、ここでお料理しているわけではありません。使っ
     ていないおなべに水をいれておいて、使い終わったのりの付いたお皿を入れるため
     なんです。
     ※ ちなみに青いふたのプラスチックケースにも水が入っていて、使い終わった刷
     毛やブラシやヘラを入れておくために使っています。(なにしろ使いまわしが多いです)
     
     

ホットメルトガン
ホットメルト接着剤
表紙
アイロン
当て紙
軍手(普通のもの)
    3)

表紙と見返し接着
 (準備)アイロンそのままつけておきます。
 (準備)ホットメルトは片付けます。
 (準備)ボンドB1と小皿、刷毛を用意します。

     タナから表紙をのせた冶具一つをテーブルの上にのせます。
     
 @ 冶具外し/蝶ナットをゆるめます。冶具から本を取り出します。
     
     冶具から本を取り出します。
     
 A 一方の表紙の内側、ノド部(背方向)にボンドをつける
     冶具を横にかたづけて、本の一方の表紙を開きます。
     
     開くとき不織布を左手親指で上げておきます。
     
     刷毛でボンドを均一に塗ります。塗り過ぎないようにします。
     
     表紙を見返しに密着させます。
     
 B 当て紙を敷いて、アイロンを表紙の表側から当てる/ホットメルトを成形するため
     表紙の上に当て紙を重ねます。
     
     当て紙の上からアイロンをかけます。背表紙をつけた時のホットメルト接着剤が左右に
     はみ出ている場合があります。その接着剤を溶かして、表紙を平らにするためです。
     
     アイロンをかけ終わったら、当て紙も取り除きます。
     
 C 一方の表紙、小口側(背とは反対方向)にボンドをつける
     小口部も表紙と見返しを接着しますので、表紙の小口部を開きます。
     
     下紙の上に表紙の小口部をのせます。
     
     表紙の小口部に刷毛でボンドをつけます。
     
     ボンドは均一にぬります。
     
 D 軍手で押さえる
     表紙と見返しを密着させます。
     
     軍手で表紙の上から押さえます
     
 E もう一方の表紙の内側、ノド部にボンドをつける
     もう一方の表紙を開きます。
     
     不織布を左手親指で上げておきます。
     
     刷毛でボンドを均一に塗ります。塗り過ぎないようにします。
     
     不織布の上からも刷毛で押さえます。
     
     表紙を見返しに密着させます。
     
 F 当て紙を敷いて、アイロンを表紙の表側から当てる/ホットメルトを成形するため
     表紙の上に当て紙を重ねます。
     
     当て紙の上からアイロンをかけます。背表紙をつけた時のホットメルト接着剤が左右に
     はみ出ている場合があります。その接着剤を溶かして、表紙を平らにするためです。
     
     アイロンをかけ終わったら、当て紙も取り除きます。
     

 G 一方の表紙、小口側(背とは反対方向)にボンドをつける     
     表紙の小口部に刷毛でボンドをつけます。
     
 H 軍手で押さえる
     表紙と見返しを密着させ軍手で表紙の上から押さえます。
     
 I 冶具セット
     一方の表紙に捨て紙をあてます。
     
     捨て紙の上からベニヤ板を添えます。
     
     
     
     もう一方の表紙にも捨て紙をあてます。
     
     捨て紙の上からベニヤ板を添えます
     
     テーブルの上に1mm厚程度の紙を並べます。
     
     1mm厚程度の紙の上に冶具をかぶせます。
     
     
     
     冶具の間に板で挟んだ本を入れます。
     
     本だけを一番下まで落とします。
     
     2個所の蝶ナットを締めて、強く締め付けます。
     
     本が冶具から1mm程度出ていることを確認します。
     
     本をセットした冶具を逆さまにして、下の冶具に固定します。
     
     中央に位置を合わせます。
     
     下の冶具の蝶ナットを締めます。
     
     背表紙の上に当て紙を置き、アイロンをかけます。
     


     背の表面がほぼ平らになるようにします。
     


     終了した冶具をタナに返して、2時間以上おきます。
     

     1mm厚程度の紙の上に冶具から出るようにして締める
     
 

ボンドB1
小皿
刷毛
アイロン
    4)

2時間以上乾燥

 

7,

製本C/仕上げ工程


    1)

冶具外し

 
    2)

化粧断裁/地側
 @ 天側から 196mm 位置を目安に本をセット
 A 厚手の当て紙を本の上に重ねて、断裁機の紙押さえ(クランプ)で固定する
 B 断裁
 

断裁機
    3)

化粧断裁/天側
 @ 地側から 182mm 位置に本をセット
 A 厚手の当て紙を本の上に重ねて、断裁機の紙押さえ(クランプ)で固定する
 B 断裁
 

断裁機
    4)

化粧断裁/小口側
 @ 背側から 128mm 位置に本をセット(「愉快な認知症」の場合は133mm)
 A 厚手の当て紙を本の上に重ねて、断裁機の紙押さえ(クランプ)で固定する
 B 断裁

断裁機
    5)

表紙カバー巻き
 @ 折り冶具に本を表向き、背を手前にセットする
 A 表紙カバーを本の上に置き、背の文字を目安に、折り位置を決める
 B 軍手の指先で折り目をつける
 C 冶具からホントカバーを2〜3cm出して、もう一方の背の折り目を軽くつける
 D カバーごと本を裏返して、裏側の小口側の折り目をつける
 E 折ったカバーを裏表紙の内側に挟んで上から押さえる
 F カバーごと本を裏返して、表側小口の折り目をつける
 G 折ったカバーを表紙の内側に挟んで上から押さえる
 

簡単な折り冶具
表紙カバー
    6)

帯巻き
 @ 折り冶具に表紙カバーがついた本を表向き、背を手前にセットする
 A 帯を本の上に置き、表紙カバーと帯の模様がぴったり合うように、折り位置を決める
 B 軍手の指先で折り目をつける
 C 同時にもう一方の背の折り目を軽くつける
 D 帯ごと本を裏返して、裏側の小口側の折り目をつける
 E 折った帯を裏表紙の内側に挟んで上から押さえる
 F 帯ごと本を裏返して、表側小口の折り目をつける
 G 折った帯を表紙の内側に挟んで上から押さえる
 

簡単な折り冶具


完成!

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